胃がんの手術方法も進歩しているようです。

佐野医師が全国約６５０病院を調べた結果、幽門保存術を行う病院は３分の１だった。慎重な医師は多いが、佐野医師は「胃がんは治るべきがん。どうせ治るならいい形で治したい」と訴える。

まだ650病院のうちの3分の1程度だそうですが、もし胃がんになってしまったら、この幽門保存手術を受けたいと思いますね。

６０年代、がんで亡くなる男性の約５割、女性の約４割が胃がんが原因だった。７０年代以後、胃がんの年間死亡数は５万人前後で推移し、０７年も５万５９７人だったが、肺や大腸など他のがんの増加で胃がんは全体の１５％に縮小した。胃がんの患者数も９６年の約３０万人をピークに０５年に約２１万人に減った。全国がん（成人病）センター協議会によると、５年生存率は７１．８％で、７０年代の２～３倍に改善。特に早期の病期１期は９９．１％となった。

胃がんの比率が大幅に減って今では肺がん、大腸がんが多くなってしまったようです。

胃がんは生き残れる可能性のあるがん、第一位になっているんですね。

がんを生きる：負担少ない治療／上　胃切除、なるべく小さく

どのように行使する人々は強い骨を維持するのですか？

　人類のがんとの闘いは道半ばだが、早期発見や治療技術の進歩で、治る人は増えてきた。一方で、痛みや体の不調など治療後の後遺症に苦しむ人も増えている。「まず治す」から、「より後遺症の少ない治療法」へと、医療現場での模索が始まった。【山田大輔】

　◇「ためる・消化・送り出す」機能残し、後遺症軽減　治癒増加で高まる関心
　「終わった、と思いました」。千葉県富里市の助川美佐江さん（４６）は６年前、持病の胃痛が頻繁になり、近くの医者の診察を受けたところ、悪性のスキルスがんと宣告された。結果的に誤診で早期がんだったが、国立がんセンター中央病院で受けた後遺症の少ない手術が人生の転機になった。

　胃は、「食」という生きる喜びに直結する重要な臓器で、（１）食べた物をためる（２）消化する（３）少しずつ送り出す－－の三つの働きがある。すべて切ると、食べた物が一気に腸に流れ込むので血糖値が急上昇、急降下して体調が悪化する。また、体重激減や逆流性食道炎、貧血や胸のつかえ、下痢や便秘などが続く。

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　そこで、なるべく胃の一部を残すなど手術方法が工夫されてきた。胃の出口にある幽門を残して腸への流入を抑える幽門保存術や、入り口の噴門を残して胃液の逆流を抑える噴門保存術、空腸（くうちょう）や結腸の一部を切って胃袋の代わりに挿入する間置法などが登場。胆汁が逆流しないよう、十二指腸の入り口をふさいで出口を空腸の下部につなぎ直すルーワイ法も使われる。

　幽門保存術は、１９６０年代に槙哲夫・東北大教授（当時、故人）らが胃潰瘍（かいよう）の治療に発明した国産技術。癌研有明病院（東京都江東区）の佐野武・上部消化管担当部長によると、体重の回復が早く血糖値の急変動や貧血が少ない。患者アンケートでも後遺症が他の治療法より少ないという。

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　助川さんは幽門保存術で胃を半分切除した。手術後３日ほど痛みがきつかったが、その後は順調に回復。食事中、急に腹がつかえる症状も約半年続いたが、今は元通りに食べられ、後遺症は空腹感がない程度だ。退院を機に始めたパート仕事が縁で、０７年には古い服地を土産品に生かすビジネスを起業。「病気のおかげで人生が広がった」と振り返る。今夏の検査で再発がないのを確認し、胃がんを「卒業」するつもりだ。

　この方法が使えるのは、リンパ節への転移が少ない病期１期の早期がんで、腫瘍（しゅよう）が幽門から４センチ以上離れた場所にある患者に限られる。それでも、胃がん総数の約２割、早期の５割の人には使える。再発率も通常の治療法より高くならず、腹腔（ふくくう）鏡を併用すれば、体への負担もより減らせる。

　佐野医師が全国約６５０病院を調べた結果、幽門保存術を行う病院は３分の１だった。慎重な医師は多いが、佐野医師は「胃がんは治るべきがん。どうせ治るならいい形で治したい」と訴える。

　「生涯にわたり後遺症に苦しむ患者さんを増やしていることに、もっと注意を払うべきだ」。国立がんセンターは０７年２月、がん根治手術後のＱＯＬ（生活の質）をテーマに開いた初の国際シンポジウムで呼びかけた。

　◇「胃」減り、「肺」増加
　６０年代、がんで亡くなる男性の約５割、女性の約４割が胃がんが原因だった。７０年代以後、胃がんの年間死亡数は５万人前後で推移し、０７年も５万５９７人だったが、肺や大腸など他のがんの増加で胃がんは全体の１５％に縮小した。胃がんの患者数も９６年の約３０万人をピークに０５年に約２１万人に減った。全国がん（成人病）センター協議会によると、５年生存率は７１．８％で、７０年代の２～３倍に改善。特に早期の病期１期は９９．１％となった。

毎日新聞　2009年1月6日　東京朝刊

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