腹痛・頭痛とは違う!歯痛に痛み止め薬が効かない理由 [虫歯] All About
歯の痛みの原因
「歯が痛い」と感じても、実際は歯が原因の痛みではないこともあります。大きく分けて、歯の痛いと感じる原因は次の3つ。- 虫歯などで歯の内部で炎症が起きている
- 歯の周囲の歯ぐきで炎症が起きている
- 歯を支えている骨部分で炎症がおきている
普通は炎症の場所が異なっても、同じように歯が痛いと感じることがほとんど。炎症が起こる原因は、虫歯や歯周病菌などの細菌が原因で、薬だけでは原因を取り除けません。さらに、痛みを薬では抑えるのが難しいケースについて解説します。
虫歯の痛み止め薬が効かない4つのケース
特に次のようなケースの場合、慌てて痛み止めを服用しても、残念ながら効果は望めません。■被せものをしている歯が急に痛くなった場合
過去に歯の神経を取ってできた空洞部分に細菌が繁殖し、歯根の先の部分に膿(うみ)などが急に溜まったことが考えられます。固い骨で囲まれた場所で、大量の膿が外に出ることができない場合、膿の圧力が骨の中で高まり痛みが起きます。
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いくら痛み止めの薬を飲んでも、膿の圧力を下げることはできません。薬を使わなくても、被せものを外して歯の根に細い穴を開け、根の先端部分の膿の部分まで穴が通じれば、穴から膿が出て圧力が下がるため、痛みが和らぎます。「歯を削ったと思ったら、大量の膿が出て瞬時に痛みが引いた」というケースです。
■歯ぐきに膿が溜まっている場合
虫歯を放置したり、歯周病や親知らずの炎症が起きたりした場合、歯ぐきに膿が溜まることがあります。ウズラの卵程度、もしくはそれ以上の膿が溜まることもあります。
この場合は薬も必要ですが、痛み止めだけではやはり十分な効果は期待できません。歯ぐきの一部を数cm切開し、溜まった膿を外に出す� ��とが大切。この場合も膿が出た後は症状がかなり改善します。
■噛み合わせが強くぶつかっている場合
虫歯、歯周病、根の病気などで歯が痛い時、自覚はなくても歯が浮いた状態になります。そのため痛い歯に限って噛み合わせが強くぶつかり、押し込まれたり揺らされたりします。そのため余計に痛みが増します。
薬では短期間で歯が浮いた状態を薬で元の状態に戻すことは出来ません。歯を削り浮き上がっている状態に合わせて噛み合わせを調整しないと、痛みがなかなか収まりません。
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■虫歯が急に痛みだした場合
しみたり、ときどき痛んだりを繰り返した虫歯は、ある日突然急に痛くなることがあります。歯の内部には神経があるため、神経を直接刺激されたような痛みになることがあります。ある程度痛みが強くなると薬で痛みを抑えようとしてもあまりうまくいきません。
歯に麻酔をして、歯の神経を直接取り除けば、痛み止め薬を飲まなくても痛みは次第に痛みは落ち着きます。
歯の痛みはひどくなる前に治療を優先するのが鉄則!
膿を出すために歯に穴をあける。浮いた歯の噛み合わせに合わせて歯を削る。歯ぐきを切開して膿を出す。麻酔をして歯の神経を取る。歯の痛みの治療は、どれも自分ではできないものばかりです。病院でも、痛みが出るほど進行した症状に対しては、被せものや土台を外したり、根の先にまで穴と開けたりと、応急的な対応では完了しない時間をかけた治療を必要となってきます。
痛みが強くなってから慌てて歯科に連絡をしても、予約が取れなかったり、待たされてしまったり、運よく応急処置をしてもらったのに痛みが完全には引かなかった、というケースは少なくありません。
歯の痛みは、いくら突然といっても交通事故のように突発的に起きるものではありません。薬が効かないほどの歯の痛みが出る場合は、その前に必ず違和感や痛みを繰り返していることがほとんど。そのサインを見過ごさずに早い段階で対応することがとても大切なのです。
それでも今すぐ歯の痛みを緩和したい人に……
歯の痛みの根本解決は、歯を削ったり、膿を出したり、神経を取ったりと、正しい治療を受けるしかありません。それでも今すぐに少しでも痛みを抑えたいなら、以下のことを試してください。■歯を噛み合わせない
歯が痛い時は、炎症が悪化するため噛めば噛むほど痛みが増します。おなかや頭が痛いときは痛い箇所を手で押さえてがちですが、歯の場合はなるべく刺激しないように気をつけましょう。
■口の中を清潔にする
虫歯に詰まった物は刺激で痛みを悪化させてしまうので、できる範囲で取り除きましょう。冷たいものはしみると思うので、口はぬるま湯でゆすぐこと。歯ぐきの腫れや出血で痛む時には、歯ブラシをこまめに使い、歯と歯ぐきの境目の汚れを取り清潔に保ち、その後洗口剤やうがい薬などで口をゆすぎましょう。刺激の原因を少しでも減らすことが、痛み緩和の秘訣です。
以上の方法を試した上で、市販の痛み止めを併用しましょう。これら全てを試しいても痛みが全く落ち着かない場合は、やはり応急処置の範囲を超えていると考えられます。辛い痛みを避けたいなら、痛くなる前の定期的な歯科検診をオススメします。
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